いま見えているものがすべてか?と訊かれたら、やっぱり違うのだろう。多くのものを見落としているし、結局は見たいものしか見ていない。
じゃあ訊きます。「走る馬の脚4本すべてが、同時に地面から離れることはある?」
えーと、うーんと、確認したくても馬がいねーよ!
というのはですね、ある時期に本気でこれについて論争していたらしいです。そして、1870年代にアメリカ人のエドワード・マイブリッジという人がこの言い合いに決着をつけました。
答えは、、、カナダキングストン州立博物館の資料を参照(もしくはこちら)。浮いてる?浮いてない?影を追ってみると分かりやすいと思う。
実は、この問いを聞いたときに、私、好奇心が矮小のため浮いていようがいまいがあまり関心など湧かなかったです。それよりもつい120年前まで「分からなかった」ということに驚きました。「あ、見えないんだ」と。
Mr.マイブリッジが立証できたのは、彼の動体視力ではなくてカメラのおかげです。機械の眼を借りることで、ようやく確認できたのです。
人間はカメラを手に入れたことでその世界が広がったんだなーと、ちょっと感動しました。(余談ですが、気を良くした彼はサーカスの象やらなんやら「動(いている)物」を撮りまくったそう。…なんだか、微笑ましいです。)
それで遅くなりましたが、今回の写真は先日の台風22号が全力出しているときのもの。なんというか、つまり、雨です、雨!以上。
<参考>
- 飯沢耕太郎 『写真美術館へようこそ』 講談社現代新書
- カナダキングストン州立博物館ホームページ(http://213.48.46.171/museum/muybridge/)
- Microcosmism
(http://microcosmism.fc2web.com/frame.html)