続・GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン続・GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン
杉田 米行

アーカイブス出版 2007-06-25
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戦後日本の写真をまとめた本は多いですが、モノクロの場合が大半です。
それはそれで時代を感じさせる「情緒」があるのですが、今回の写真集はカラーです。
その差は、「色が付いただけ」ではありません。
カラーであることで、写真から受けるものが「情緒」ではなくそこにあるかのような「現実感」に大きく変わってしまうのだとこの本を見てつくづく感じました。

撮影者はアルバニア生まれのアメリカ人で、ディミトリー・ボリアという人です。
出身地からして日本とはかなり縁遠そうな人物ですが、およそ14年間に渡って天皇の姿や日本の各地の様子を写真に収めています。
おもしろかったのは、GHQに同行する形で撮影したありきたりな記録写真にとどまらない親密感のある写真が多いことです。
そこにカラーということが相まって、たとえば大火事以前の熱海の街並みや、江ノ島や山中湖からの富士山の眺めは妙にリアルで迫力があります。

戦争くさくない、昔の日本を体験できるなかなかな写真集でした。
今回は「続」でしたが、前作も見てみたいと思います。

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