暗がりのあかり - チェコ写真の現在
- 会期:2010年6月19日(土)~8月8日(日)
- 場所:資生堂ギャラリー
銀座・資生堂ギャラリーにて、チェコの写真家の展示をやっています。
チェコといえばアールヌーボーの大家・ミュシャの出身国です。
一度プラハに旅行で行ったことがありますが、東欧的に暗く美しく、どこか繊細で不安げな街でした。
今回の展示について、印象で言うとちょっと泥臭さかったです。そしてやはり暗いイメージが中心でした。
同時に、流行で終わりそうな軽薄さはなく、全体を通して安定感がありました。あと作品の作りに丁寧さを感じました。
ヨーロッパの写真というと近年はドイツが連想されるように、ティルマンス、トーマス・ストゥルース、ベッヒャー夫妻、ロレッタ・ルックスなど多くの写真家が展覧会や雑誌で取り上げられてきました。
そういう意味でチェコは「周辺」というか、あまり写真については作家名が思い浮かびません。
ただ、カタログで飯沢耕太郎氏が後書きしているように、泥臭さが明治期の日本の絵画主義を彷彿とさせるのは不思議です。
そういう点で、安定感とともに親近感が湧く写真展でした。