LIFE - Jan 19, 1970(雑誌『ライフ』・1970年1月19日号)

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1970年の『LIFE』(ライフ)誌です。
トリネコさん(イエネコカメラさん)で購入しました。
特集は、ヴェトナム戦争時に起きたミライ村での虐殺事件と、アフリカの野生動物のグラビアが主な内容です。

こういう古い雑誌が好きなのもありますが、以前の当サイトの記事で「朝日新聞グローブ (GLOBE)|写真は死んでいくのか」と「写真分離派宣言 - NADiff GALLERY」を取りあげたこともあり、写真が今とは異なる役割や力を持っていた頃の記録的な意味合いで購入してみました。

『LIFE』(ライフ)は、過去に休刊した話を聞いていましたが、現在はオンラインのみのようです。

ライフ (雑誌) - Wikipedia

以下、Wikipediaから概要の引用です。

ライフ(Life)はアメリカで発行されている雑誌。写真を中心とした誌面で「グラフ雑誌」と言われる。
フォトジャーナリズムという文章記事よりも写真を中心に報道・言論を構成しようという考え方はすでにヨーロッパ(特にドイツ)で試みられていた。ライフ誌はカメラマンをスタッフという専属的な所属とし、撮影から記事・レイアウト等の編集のスタイルを一貫させ、「フォト・エッセイ」と称した。

このように、「写真は死んでいくのか」や「写真はマスメディアでの行き場を失うだろう」という悲観的な予想が這入り込む余地のない、写真の力を信じ切った方針で休刊を経ながらも『LIFE』は発行されてきました。

実際に誌面を開くと、大きめにレイアウトされた写真、特に今回の事件後のショッキングな写真は、ネット検索も動画検索も、CG技術もない時代において、強いインパクトがあったのではないかと想像できます。

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例えば、他に掲載されている写真と同じようなカットが英語版のWikipediaにアップされています。

My Lai Massacre - Wikipedia, the free encyclopedia

「写真は死んでいくのか」や「写真はマスメディアでの行き場を失うだろう」という考えの前提が、正直なところ十分に理解できていないのですが(新聞や雑誌のデジタル化・動画化ということでしょうか)、デジタル化は進んでいくとは思いますが隅々まで徹底的にそうなるとは思えません。
デジタル写真=画像でしかないという見方もあるようですが、やはり写真は写真ということで良いのではないでしょうか。

ただ、行き過ぎた露骨なレタッチがされた写真は物によってはつまらない画像と思うかもしれません。この違いを規定しているのは、結局のところ経験に基づく主観的で身体的な感覚です。
だから、ネット上のニュースで眼にする写真をただの画像とは感じません。そういう意味で、写真は写真だと思うのです。

「写真が行き場を失って死んでしまう」かどうかは分かりませんし、そもそもこの問題設定が、もしかすると適当ではないのではないかと、『LIFE』を見て感じています。

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